「もらった感動を今度は自分が届ける」ドキュメンタリーのような名作を舞台で(東野圭吾シアターVol.2舞台『ナミヤ雑貨店の奇蹟』出演:葉山侑樹さん)

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東野圭吾の小説を連続で舞台化していく企画公演シリーズ「東野圭吾シアター」。その第二弾として、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』が上演されます。今回、主演を務める葉山侑樹さんにインタビューを実施!取材の数日前から稽古が始まっており、「すごく楽しい」と笑顔で語る葉山さんに、舞台で観る『ナミヤ雑貨店の奇蹟』ならではの魅力などを伺いました。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』あらすじ

敦也・翔太・幸平は、同じ養護施設で育った仲間。
ある夜、ある家にコソ泥に入り、逃亡の途中で、廃屋になった雑貨店に逃げ込む。すると、表の方で微かな物音。シャッターの郵便口から、誰かが封筒を入れたのだ。中の便箋には、悩み事の相談が書かれていた。この雑貨店は、店主が生きていた頃、近隣の住人の悩み事の相談に答えていたのだ。3人はほんの遊び心から、返事を書いて、牛乳箱に入れる。すると、またシャッターの郵便口から封筒が。そこには、3人の返事に対する、さらなる質問が書かれていた。しかも、差出人は、数十年前の時代の人間らしい……。
(公式HPより:https://napposunited.com/namiya2026/

役の生い立ちまで見えるように演じたい

本作は小説原作で、映画化や舞台化、ミュージカル化もされてきた作品です。ストーリーは知っている方も多いかと思いますが、改めて葉山さんの思う作品の見どころや魅力について教えていただけますか?

この作品では、手紙のやり取りを通して登場人物全員の色々な物語が展開されていくのですが、一人ひとりの人生がとても濃く描かれているのが魅力です。今この時代にあまり身近ではなくなってしまった「手紙」を中心に物語が進むのも、素敵だなと思っています。

特に印象的なシーンやお気に入りのシーンはありますか?

物語の始まりに、最初の手紙がナミヤ雑貨店に届くシーンが好きです。僕が演じる敦也と仲間の翔太と幸平、泥棒をしてしまった三人が、空き家になっていたナミヤ雑貨店に逃げ込んだところに、突然悩み事相談の手紙が届くんですが、その手紙に対する反応が一人ひとり全然違うんです。同じ養護施設で育ってきた三人の関係性とか人間性がすごく出ている場面で、日頃からいつも一緒に過ごしてきた三人の雰囲気が伝わるシーンだと思います。

三人それぞれどのような反応の違いがあるのでしょうか。

敦也は、泥棒をして逃げてきたというのもあって慎重になっているので、手紙を拒絶するような感じなんですが、幸平は手紙にすごく興味を持って「返事をしたい」と言い出します。翔太は怪しんではいるけど、誰かの相談に乗るっていうのは今までの人生でなかったから興味があるというような、幸平とはまた別の方向から前向きな反応をしている。そんな三人のバランスが面白いです。もし僕がこんな経験をしたら、敦也と同じように怖がって絶対返事はしないと思います(笑)

葉山さんも慎重派なんですね!稽古が始まったと伺っていますが、実際に演じてみていかがですか?

そうですね、まだ稽古は始まったばかりですが、基本的に敦也・翔太・幸平の三人組で一緒にいるので、それぞれのキャラ立ちが重要だと感じています。敦也はこの三人の中ではリーダー気質で、二人を引っ張っていくキャラクターなんです。少し荒っぽいところもあるんですが、それは児童養護施設で育ったという生い立ちとか過去の経験があるからだと台本を読みながら感じたので、そういった敦也の背景も見えるように演じたいです

一方で、彼の元々持っている素直さが物語が進むにつれてどんどん出てきて、人として成長していく姿が感じられるのも、この役の魅力だと思っています。正直なところ、最初はこの物語の中で一番印象が悪いキャラクターかもしれません。ですが、手紙を通して色々な人生に触れて成長していく姿を見ていて、きっと観てくださる方に愛されるキャラクターになるはずだと思いながら演じています。

ドキュメンタリーを見たような感覚

今回、葉山さんは舞台初主演とのことですね。

そうなんです。舞台に出演するのも実は5年振りくらいで、最初にお話をいただいた時は不安や緊張が大きかったです。でも今はすごく楽しいです。稽古が始まって、本当に素敵なキャストさんが大勢いらっしゃる中で、自分にしかできない座長としての在り方を考えるようになってきました。僕は今回のキャストさんの中では俳優としての経験もまだまだ浅いので、引っ張っていくというのは違うかなと思っていて。

ただ、この作品に何か与えてもらうばかりではなくて、自分が与える側にもならなきゃいけないというのは、稽古が始まってから日々痛感しています。主演として、自分に何ができるだろうと日々探していますが、まずはこの桐生敦也という人物に全身全霊で取り組んで、自信を持って作品に臨むという姿勢が一番強くないといけないと改めて思っています。

『ナミヤ雑貨店の奇蹟』という作品に初めて触れたのはいつでしたか?

原作の小説を読んだのは、出演のお話をいただいてからでした。読んでみて「すごく良いものを体験したな」と一番に思いました。登場人物それぞれが手紙で悩み相談をするんですが、返事をもらうだけではなくて、きちんと自分なりに考えて行動に移していく姿にすごく心動かされて。なんだか、物語を読んだというよりもドキュメンタリーを見たのに近い感覚だったことを覚えています。そういったところが感動を呼んだり、心が温まる作品だと言われている理由の一つなのかなと思いました。

原作小説や映画の人気も高い作品ですが、舞台だからこそ表現できると思うことはありますか?

やはりお客様の目の前で出来事が起きて、キャラクターの感情の動きだったり空気感を直に感じてもらえるのは舞台ならではだと思っています。先ほどお話しした冒頭の場面なども、三人組のあたふたした様子を同じ空気の中で直に味わってもらうと、小説や映画とはまた違った緊張感があると思います。あとは、まだあまり詳しくお話できないですが、オープニングではダンスシーンがあるんです。ダンスで時代が行き来する様子を表現していたり…そういった舞台ならではの演出もありますね。

今回、演出は成井豊さんですが、成井さんは何度も東野圭吾さんの作品を演出されているんです。作品を知り尽くした成井さんの演出なので、舞台ならではの魅力をたくさんお届けできると思います。キャストは前回とは変わっているので、僕たちオリジナルの『ナミヤ雑貨店の奇蹟』をお見せしたいです。

与えてもらった感動を自分が届ける側に

ご自身の初観劇の思い出を教えていただけますか?

子どもの頃に観たヒーローショー以外では、俳優として活動を始めるまで舞台を観たことがなかったと思います。初めて観たのは、17歳か18歳の頃、まだ上京する前の大阪にいた時で、事務所の同期の俳優さんが出ている舞台でした。

目の前でお芝居を観るというのが初めてだったので、すごく新鮮さを感じて、目の前に広がる世界に没頭していたのを覚えています。これまでの人生でなかった感覚でした。もし今回初めて舞台を観に来られる方がいらっしゃったら、その時与えてもらった感動を、今度は自分がお届けできたらいいなと思っています。

最後に、本作を観劇されるお客様にメッセージをお願いします!

この作品は、人と人が本気で真正面から向き合う姿が描かれています。人間ってそういう姿勢に感動するものなのではないかと思いますし、今回それが舞台で、目の前で繰り広げられるので、より感動が直に伝わるはずです。ちょっと最近疲れたな、温かいものに触れたいな、という方にはぜひ観劇していただきたい舞台です。劇場でお待ちしております!

プロフィール

葉山 侑樹(はやま ゆうき)

2024年にスーパー戦隊シリーズ『爆上戦隊ブンブンジャー』でブンブルー/鳴田射士郎役に抜擢、注目を集める。その後もドラマ、映画、CMなど幅広く活躍。現在、FODショートドラマ『Who DID Love?』がFOD SHORTにて独占配信中。

■取材・文:すずき もえ
■写真:境 悠

公演情報

公演名 東野圭吾シアターVol.2舞台『ナミヤ雑貨店の奇蹟』

日程・会場
▶︎お問い合わせ

【東京公演】
2026年5月16日(土)~5月24日(日)
サンシャイン劇場
▶︎ぴあ
https://w.pia.jp/a/d-contact/

【大阪公演】
2026年6月6日(土)~6月7日(日)
COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
▶︎キョードーインフォメーション
0570-200-888(12:00~17:00 ※土日・祝除く)

Webサイト

https://napposunited.com/namiya2026/

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