「魂を揺さぶるパフォーマンスで、一緒に声を出して盛り上がりたい」レプリカ版ではない私たちにしかできない奇跡(ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』出演:昆夏美さん、セントチヒロ・チッチさん)

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ソウルフルな音楽に乗せて描かれる名作映画『奇跡を呼ぶ男』が日本初演の幕を開けました。竹内涼真さん演じるジョナス・ナイチンゲールの妹、サム・ナイチンゲール役(Wキャスト)を務める昆夏美さんセントチヒロ・チッチさんにインタビュー!役作りや、稽古場でのエピソードなどをたっぷりと伺いました。観客も一緒に楽しめる演出で「客席参加型」だと語るお二人、話題作である本作の魅力に迫ります。

ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』あらすじ

伝道師 ジョナス・ナイチンゲール。 彼が神の教えを説く伝道集会で見せる「奇跡」のショーに、人々は熱狂し、涙し、心を動かされていく——
しかし、それは真っ赤な嘘。彼の正体は、妹サム、仲間のアイダ・メイ、オルネラらと共に「奇跡」を演出し、献金を集めて各地を渡り歩く詐欺師だ。 そんなジョナス達一行の乗ったバスがカンザスの片田舎スウィートウォーターで故障し、立ち往生。ジョナスはそこでも集会を開き、金儲けしようと企む。 そこで出会ったのは、保安官のマーラ。彼らに疑いの目を持つマーラは、ジョナス達に立ち退きを迫る。そんなことはお構いなしにテントを立て説教を行うジョナスはインチキの数々で見る人たちを虜にしていく。 そんな中、マーラの一人息子であり足の不自由な少年ジェイクが声をかけてくる。アイダ・メイの息子で聖書学校に通う青年アイザイアも休暇で家族のもとに戻ってきたが、ジョナスたちのイカサマに嫌悪感を抱いている。 それぞれの想いが交錯する中、ジョナスの中で何かが変わり始める。
ウソを重ねてきた男は、果たして“本当の奇跡”を起こすことができるのか——。
(公式HPより:https://horipro-stage.jp/stage/leapoffaith2025/

弱っちい自分を蹴飛ばしながら

お二人の役、サム・ナイチンゲールの印象と、役への意気込みを教えていただけますか?

セントチヒロ・チッチさん: とてもタフな女の子で、すごく人間味があります。竹内涼真さん演じる兄のジョナスと信頼関係が強く、お互いの“信じあい”がとても素敵に描かれているんです。そして女性としても自立している部分があるので、サムの芯の強さを出せるように自分とも戦いながら、お稽古に挑んでいます

昆さん:サムはこの世界をサバイブしていく強さがあって、とても魅力的な女性です。でもその強さの中には彼女の生まれ育った環境や、歴史が影響していて、生きていくことに執着しなきゃいけなかった理由があるんです。兄妹でチームを守っていかなくてはいけなかったり...。そういう強さの裏側にある部分もしっかり描けるようにしたいなと思っています。実は、本当の私の性格とは真逆なんですけどね(笑)自分とは違った役を演じられるのもお芝居の魅力だなと思います。

チッチさん:私も、本当は弱っちい自分を蹴飛ばしながら役作りしています(笑)そしたら稽古を重ねるうちになんだか自分の性格まで明るくなった気がしていて...!作品やカンパニーの空気感も相まって、私を明るくさせてくれるミュージカルなんです。

お二人は今回ダブルキャストですが、お互いはどんな存在ですか?

チッチさん:私は今回ミュージカル初挑戦になるので、昆ちゃんにたくさん助けてもらって、凄く成長させていただいています。分からないことがあったらすぐ昆ちゃんに聞いています。今回の舞台では悩んだ時や分からないことがあったら、恥ずかしがらずに仲間に聞くって決めていて、仲間皆さんからヒントをもらった上で、自分なりに答えを見つける、そういう貴重な時間を過ごせていることに感謝しています。

昆さん:私もチッチにいつも相談していて、「これってどういう意味だと思う?」ってよく話し合っているんです。チッチは台詞の読解力が素晴らしくて、新たな解釈をもらえるので勉強になります。本作は日本初演作ということもあり、カンパニーの皆で演出も含めて新たなものをつくろうという挑戦をしています。

レプリカ版ではない、私たちにしかできないパフォーマンス

素敵なコンビネーションがお二人から伝わります。日本初演ということについて、何か意識されることはありますか?

昆さん:本作は、映画が原作で、ブロードウェイでも上演された作品なので、完全オリジナルではないのですが、演出のジェニファー(ジェニファー・タン)も振付のアレックス(アレクザンドラ・サルミエント)も新作だと思ってつくっていると言っていました。演出や振付は日本版オリジナルなので、ブロードウェイのレプリカ版ではなく私たちにしかできない作品になるのではないかなと思います。また、英語の楽曲を日本語で歌うので、文字数やニュアンスなどは変わってくるのですが、稽古場でトライアンドエラーを繰り返しています。過去に映画や舞台を観たことがある方でも、新鮮な気持ちで新たなものとして楽しめる舞台になっていると思います。

チッチさん:稽古は確かにハードで悩むこともありますが、それと同じくらい楽しいと思う瞬間がたくさんあります。一人ひとりがプロフェッショナルなので、すごく頼れるし、皆でつくっているという感覚があるんです。本番はさらにお客様がそこに加わるので、オーディエンスの皆さんとどんなふうに物語が動いていくのかを今から楽しみにしています。

耳も目も心も、全部が喜ぶ

見どころや注目ポイントを教えてください。

チッチさん:一番は音楽のエネルギーだと思います。私はパンクやロックをずっとやってきたのですが、ゴスペルや讃美歌の一人ひとりの歌声が重なった時に感じるパワーには驚きました。毎日稽古場で皆のハーモニーを聞いて耳が幸せです(笑)それにどの役も皆キラキラしているんです。アンサンブルの一人ひとりまでがエネルギーに満ちていて、とてもパワーをもらえると思います。耳も目も心も全部喜ぶミュージカルです。ペンライトも用意しているので、お客様も一緒に劇場で盛り上がれます。絶対楽しいです!一緒に「イェーイ!」とか「フゥ〜!」とか言いながら参加してほしいですね。

昆さん:そうだね、参加型のミュージカルだよね。音楽がかかると皆気持ちが上がるし、「ダンスミュージカル!?」っていうぐらい踊ります。全然大人しくないミュージカルです(笑)体から溢れ出るエネルギーを、歌やダンスから感じられる舞台です。それは登場人物それぞれの生きるエネルギーでもあって、心にダイレクトに伝わるものがあるんじゃないかなと思います。元気になりたい方に特におすすめですね。

芝居と歌の境界が消え、物語がシームレスに流れる

お二人が考えるミュージカルの魅力を教えていただけますか?

チッチさん:私は今回初めてミュージカルに出演しますが、好きでよく観劇に行っていました。ミュージシャンとして活動しているので、職業柄「魂を揺さぶるって何だろう」っていつも考えているのですが、ミュージカルを観た時、まさにこういうことなのかなって思ったんです。普段生きていて体感できない量の感情の揺れや揺らぎが、お芝居や音楽で表現されている世界。そこには音楽のライブだけでは表現しきれない物語があるんです。自分ではなく誰かの人生なのだけど、自分もその世界にいるような気持ちになれる特別な場所ですね。すべてを解放して楽しめるところがミュージカルの魅力だなと感じています。だから何も恥ずかしがらずに一緒に劇場で楽しんでほしいです。

昆さん:ミュージカルの魅力はたくさんありますが、私が特に好きなのは、登場人物の言葉がそのまま音楽へと変わっていく瞬間です。お芝居と歌の境界が消え、物語がシームレスに流れていく感覚に惹かれます。ミュージカルは、芝居・歌・ダンスなど様々な要素で成り立っていますが、それぞれが分離するのではなく、一体となって物語を紡いでいくところが魅力だと思っています。本作はショーアップされた演出部分もありますが、それが自然で、観ていて物語から気持ちが離れない。メッセージ性とエンターテインメント性を兼ね備えた、まさにミュージカルの醍醐味を詰め込んだような舞台です。

初観劇の思い出をお聞かせください。

チッチさん:中学校のとき、社会科見学で劇団四季を観に行ったことが印象に残っています。そのとき受けた衝撃は今でも覚えています。親友が『アニー』のオーディションを受けるほどのミュージカル好きで、その子にいろいろ教えてもらって、より興味を持つようになりました。

昆さん:私が初めて観た舞台は、4〜5歳の頃の『セーラームーンミュージカル』でした。当時はそれがミュージカルというジャンルだとは知らなかったのですが、ステージ上で歌って踊るお姉さんたちのキラキラした姿に憧れました。今振り返ると、もともとそういう世界が好きだったんだと思います。

最後に観に来てくださる方にメッセージをお願いします。

チッチさん:この作品は“信じること”や“信じたいと思うもの”にフォーカスした作品です。きっと観に来てくれた方の人生が変わる作品になるのではないかと思っています。この作品の中で生きられることが本当に幸せです。竹内涼真さん座長のもと、パワー全開でエネルギッシュな舞台にしていきますので、ぜひ劇場で一緒に体感してほしいです!最高の音楽とパフォーマンスでお待ちしているので、楽しみにしてください!

昆さん:ステージと客席が一体となって楽しめるのは、舞台ならではの体験だと思います。ぜひ劇場で生のエネルギーを感じていただきたいです。一体感を味わいやすい作品だと思いますので、ぜひペンライトを手に一緒に盛り上がりましょう!

プロフィール

昆 夏美(こん なつみ)

2011年9月、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』のジュリエット役でデビュー。その後も『ハムレット』『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』など、多数のミュージカル作品に出演。13年4月、テレビアニメ「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」のオープニングテーマ「私は想像する」でアーティストデビュー、その他の主な出演作品に、映画「美女と野獣」(プレミアム吹替版、ベル役)『メリリー・ウィー・ロール・アロング』『マチルダ』『この世界の片隅に』『トッツィー』『マリー・キュリー』などがある。

セントチヒロ・チッチ(せんとちひろ・ちっち)

2015年より"楽器を持たないパンクバンド”BISHのメンバー、セントチヒロ・チッチとして活動。23年6月にグループ解散後、同年女優としても活動を開始。 主な出演作品に、ドラマ「ESCAPE それは誘拐のはずだった」「放課後カルテ」「肝臓を奪われた妻」「クラスメイトの女子、やっぱり全員好きでした」、映画「氷血」「ミーツ・ザ・ワールド」などがある。

■取材・文:境 悠
■写真:すずき もえ

公演情報

公演名 ミュージカル『奇跡を呼ぶ男』

日程・会場
▶︎お問い合わせ
【東京公演】
2026年4月4日(土)~24日(金)
東京建物 Brillia HALL
▶︎︎ホリプロチケットセンター
03-3490-4949

【大阪公演】
2026年5月1日(金)~3日(日)
フェニーチェ堺 大ホール
▶︎キョードーインフォメーション
0570-200-888(平日12:00~17:00)

【福岡公演】
2026年5月8日(金)~10日(日)
久留米シティプラザ ザ・グランドホール
▶︎インプレサリオ
【Eーmail】info@impresario-ent.co.jp
【TEL】092-600-9238(平日11:00~15:00)

【愛知公演】
2026年5月15日(金)~17日(日)
名古屋文理大学文化フォーラム(稲沢市民会館)
▶︎中京テレビクリエイション
052-588-4477(平日11:00~17:00 )

Webサイト

https://horipro-stage.jp/stage/leapoffaith2025/

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