ポジティブな感動で涙が出るハッピーな物語
まずは、本作の日本初演時(2018年)、再演時(2022年)と続けて出演されている大貫さんから、作品の見どころを教えていただけますか?
大貫さん:ミュージカルは、芝居や歌、ダンス、舞台美術や照明なども含めて「総合芸術」と呼ばれることがありますが、まさに『メリー・ポピンズ』は総合芸術としてとても完成度の高い作品 だと思います。目を閉じていても感動できるくらい音楽が印象的ですし、舞台セットの変化も目で見て楽しいところですね。物語の舞台になっているロンドンって、実は曇りの日が多くて。毎日曇り空というその雰囲気が最初は立ち込めているんですが、メリーが登場してきた途端、どんどん舞台上が色鮮やかになっていくんです。
登場人物もとても魅力的です。特にメリーはパーフェクトな存在なので、洗練された動きとか、完璧な身のこなしや歌い方が観ていて気持ちがいいですね。僕が演じるバートは、エネルギッシュでありつつ、優しくて温かい雰囲気が素敵な人です。悲しいとか切ないからではなく、ワクワクして涙が出るというか、ここまでポジティブで感動できるミュージカルって、他にないんじゃないかなと思うくらいハッピーな物語 です。
バンクス家の父親であるジョージが、大人になるにつれて忘れてしまったものを思い出して、子どもたちと心を通わせていくという家族の成長の物語でもあって、その姿に本当に胸が温かくなります。老若男女どの世代が観ても楽しめる作品なので、初めての観劇にもふさわしいんじゃないかな と思います。
今回が初出演となる朝夏さんは、本作にどのような印象をお持ちでしょうか?
朝夏さん:ミュージカルの魅力の全てが詰まった作品 という印象です。日本初演時、濱田めぐみさんがメリー、大貫さんがバートで出演されていた回を観に行ったんですよ。私は宝塚を卒業して1年も経っていないくらいの頃だったんですけれど、「こんなミュージカル観たことない!」と思ったぐらい感動 しました。セットも豪華ですし、音楽も名曲だらけでとても素敵でした。何より、あのタップのシーンがすごくて…。
大貫さん:バートが逆さまになって、天井でタップダンスするシーンがあるんだよね。
朝夏さん:そうなんです。メリーも最後に客席の上を飛んでいったりしますし、なんだかもうすごすぎて。自分の中の幼い時の思い出とか、大人になると失ってしまいがちな子ども心を思い出させてもらいました。メリーが「どんなことでもできるわ」って言ってくれると、「自分もできるかもしれないぞ!」という気持ちになれる んですよね。
メリーの言葉で心がふっと軽くなる
大貫さんから見たメリーのお気に入りのシーン、朝夏さんから見たバートのお気に入りのシーンをそれぞれ伺えますか?
大貫さん:「お砂糖ひとさじで」という歌のシーン が好きですね。ちょっと考え方を変えるだけで、何でもできるようになるというメッセージが素敵 だなって。僕も基本的にポジティブな人間ですが、メリーに言われると心からそう思えるというか。このミュージカルの中で、なんだか心の中でモヤモヤしていたものが、ふっと軽くなる瞬間の一つだと思うシーンです。
朝夏さん:私は「ジョリー・ホリデー」という歌のシーン で、わたわたしているバートがすごくかわいくて好きです。あのシーンから一気にカラフルな世界になるので、「わー!」と気分が盛り上がる し、メリーへの一途なバートの思いが見えてすごくチャーミング。他のシーンでも、大貫さんもおっしゃっていた“逆さまタップ”だったり、ダンスがとにかく素晴らしいので、ダンサーとして活躍されてきた大貫さんの演じるバートを観られるというのが最高の贅沢だなと思っています。
知ることで夢が生まれるきっかけに
お二人が初めて観劇された舞台や、印象に残っている舞台の思い出があれば教えていただけますか?
大貫さん:僕が初めて観たのは、ドイツのダンサー・ピナ・バウシュさんが主宰している「ヴッパタール舞踊団」の公演でした。僕の母親がそのカンパニーが好きだったので、9歳くらいの時に連れて行ってもらって。コンテンポラリーダンス*1 の一種の「タンツテアター*2 」というジャンルなんですが、その時は正直全く意味が分からなくて。
でも1年に1回くらいのペースで来日していたので、それから毎年のように観に行っていました。ある時『緑の大地』という作品で、すごく大きな岩が舞台の真ん中に置かれていて、そこから水が流れている…という光景を観た時、意味が分からないながらに初めて感動したんです。
芸術って何をやってもいいんだという思いを一番最初に抱いたのが、ピナ・バウシュのダンスだった んですよね。僕はダンサーとしてキャリアをスタートさせていて、お芝居をするつもりはなかったんです。でも、子どもの頃のそういう経験があったからこそ、お芝居をやってみたいと思った時に、自分の境目を決めつけずにチャレンジできて、今の自分に繋がっているんじゃないかなと思っています。
朝夏さん:私は14歳の時に、母に連れられて行った佐賀での宝塚の公演が、人生を変える観劇経験 になりました。小さい頃からバレエをやっていたので、その時も「またバレエの公演を観に行くのかな」と思っていたら、宝塚だったんです。それをきっかけに宝塚に入りたいなと思って、次の年にはもう入っていました(笑)
大貫さん:普通そんなにすぐ入れないでしょう!?
朝夏さん:何年もかけてチャレンジする方が多いですよね。
大貫さん:いや、すごい!才能だね!
朝夏さん:運が良かったんです(笑)本当に急展開だったので、あの時母親が連れて行ってくれてなかったら、私は今頃何をしているのかな…と思いますね。
とても大きな影響を受けた体験だったんですね。では最後に、ご自身の初観劇の時の思いも踏まえて、今回が初めての観劇になる方、ミュージカルを初めて観る方に向けて、メッセージをお願いします。
大貫さん:初めての体験が人生に変化をもたらしてくれる可能性は大いにあります 。僕はこの世界に入って人生が変わったと思いますし、舞台に出会わないままだったら人生こんなに豊かになっていなかっただろうなと思うことがたくさんありました。舞台で観るのと映像で見るのもまた違いますし、ぜひ生の舞台をたくさんの方に観に来ていただきたいですね。
朝夏さん:何が待っているか分からないワクワク感を楽しみに、舞台を観に来ていただけたらいいな と思います。私は初観劇が本当に人生を変える出来事になったので、何がきっかけになるかは分からないものだなと思っています。まずは知ることで、夢が生まれたりやりたいことに気づくことができたりすると思うので、この作品が、「私も舞台に立ってみたい!」とか、「舞台に携わることをしてみたい!」と思うきっかけになれば嬉しいです。
プロフィール
朝夏 まなと(あさか まなと)
17年11月宝塚歌劇団を退団後、 Concertにはじまり『マイ・フェア・レディ』『オン・ユア・フィート!』『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』等に出演し、20年に『Little Women―若草物語』『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』の演技に対し第45回菊田一夫演劇賞を受賞。その後『ローマの休日』『BURNUM』『メリリー・ウィー・ロール・アロング』『王家の紋章』『モダン・ミリー』『こどもの一生』『SHINE SHOW!』『ロボット』『フランケンシュタイン』などミュージカル、ストレートプレイで活躍している。映画「ドールハウス」に出演、またArtistspokenで配信パーソナリティも務めている。
大貫 勇輔(おおぬき ゆうすけ)
神奈川県出身。2011年に『ロミオ&ジュリエット』にてミュージカルデビュー。近年の主な出演作品に【舞台】『マチルダ』、『ハリー・ポッターと呪いの子』、『天保十二年のシェイクスピア』、『アメリカン・サイコ』【映画】『八犬伝』【ドラマ】『ルパンの娘』シリーズ(CX)、『生き残った6人によると』(MBS)、『どうする家康』(NHK)、『婚活1000本ノック』(CX)、『子宮恋愛』(ytv)など。
公演情報
公演名
ミュージカル『メリー・ポピンズ』
日程・会場
▶︎お問い合わせ
【東京公演】
2026年3月28日(土)~2026年5月9日(土)
(プレビュー公演 2026年3月21日(土)~2026年3月27日(金))
東急シアターオーブ
▶︎ホリプロチケットセンター
03-3490-4949
受付:平日 11:00~18:00 / 土日祝休
【大阪公演】
2026年5月21日(木)~2026年6月6日(土)
梅田芸術劇場メインホール
▶︎︎梅田芸術劇場
0570-077-039
受付:10:00~13:00、14:00~18:00
Webサイト
https://marypoppins2026.jp/index.html
舞台鑑賞は「チケットのサブスクrecri」で!
厳選されたおすすめ作品の中から、毎月舞台を観られるチケットのサブスクサービスです。演劇、ミュージカル、歌舞伎、コンサートなど、recriが提案する作品の中から好きなものを選ぶと、チケットが自宅に届きます。自分では選ばない作品を観てみたい方や、あたらしい趣味をつくりたい方にご利用いただいています。月に一度の自分へのご褒美や、ご家族やご友人へのプレゼントにも最適です。必見の名作から話題の最新作まで、作品との心がうごく出会いを、お届けいたします。
subscription.recri.jp
引用をストックしました
ストック一覧を見る
閉じる
引用するにはまずログインしてください
ログイン
閉じる
引用をストックできませんでした。再度お試しください
閉じる