「言葉がクリアに届いて没頭できる」朗読劇で、赤裸々な夫婦の日常をのぞき見(『したいとか、したくないとかの話じゃない』俳優 板谷由夏さん・津田健次郎さん/脚本演出 新井友香さん)

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2025年5月23日〜25日に上演される、朗読劇『したいとか、したくないとかの話じゃない』の製作発表会が行われました。夫婦役を演じる俳優の板谷由夏さん・津田健次郎さん、脚本・演出の新井友香さんが登場。朗読劇というジャンル、そして本作の魅力についてお話を聞かせていただきました!

そもそも、“朗読劇”ってどんな舞台なんでしょう?

新井さん: よく「演劇」と「朗読劇」って分けて考えられがちなんですけど、私は朗読劇は“演劇のジャンルのひとつ”だと思っています。

普通の舞台って、視覚的な情報がたくさんあるじゃないですか。役者の動き、照明、衣装、美術。もちろん、それはそれで素晴らしいものですが、観客は色々なところを見なくてはいけない。

一方で、朗読劇の特徴って、言葉がものすごくクリアに届くことなんですよね。視覚的な情報が少ない分、観る側が没頭して、想像力を膨らませることができる。それが朗読劇ならではの魅力だと思っています。

出演のお二人は、今回二人きりの“朗読劇”を演じることについてどのようにお考えですか?

板谷さん: 手元に台本がある状態で芝居をするというのは、私はあまり経験がなくて。どのくらいの距離感で台本と付き合っていくかを考えています。まだ未開拓なんですよね。いろいろな化学反応が起こりそうな予感しかないので、すごく楽しみにしています。 あとは、セリフが飛ぶことがないのは嬉しいですね(笑)。

津田さん: それは僕も共感です。
ただ、セリフは飛ばないけど、ページが飛ぶってことがあるんですよ。前に朗読劇をやったときに、劇場のエアコンが強すぎて、風で紙がパラパラ~ってめくれて。何もなかったような顔をして元のページを探したのですが…
ゾッとするでしょ?気をつけてください!(笑)

今回は朗読劇ですが、演じることについては、ドラマ、映画、舞台…基本は何も変わらないと思っています。舞台上には二人しかいないので、支え合っていきましょう。

そんな朗読劇で描かれる『したいとか、したくないとかの話じゃない』。どんな物語でしょう?

板谷さん: 私自身も主人公に年齢が近いですけれど、熟年夫婦の日常をちょっとのぞき見したような感覚になるお話です。とにかくずっと喧嘩しているんですよ(笑)。夫婦だったら「分かるな〜」という場面が多々あると思いますし、この舞台を通して「うちの家庭はどうかな?」と夫婦間で話すきっかけにしてもらえると嬉しいです。

津田さん: 一部コメディ要素もありつつ、本当に繊細な日常が描かれているお話です。二人だけのやり取りを飽きさせずに見せるって、実はすごく難しくて。でもそれができたら、笑えて泣けて、グッとくる作品になるはずです。 あと…僕の役、かなりクズです(笑)。基本叱られっぱなし。叱られている中で、反省したり、主張したりしてどんどん深いお話になっていきます。

新井さん: セックスレスの夫婦というのがテーマにはなってはいるのですが、やはり根底には愛があると思います。人間同士、長い時間を経て関係性が変わっていったり、すれ違っていったりする様を生々しく、丁寧に描いています。

喧嘩ができるというのは、関係を持続させようというエネルギーがあることだと思っているので、喧嘩を続けること自体が愛だなと思うんですよね。

夫婦・恋人同士だけでなく、親子や上司部下、誰かとの密な関係に悩んだことのあるすべての人に共感していただけるはずです。老若男女問わずおもしろい作品になっていると思いますので、ぜひ観にいらしてください。

プロフィール

板谷 由夏(いたや ゆか)

1975年6月22日生まれ。1999年、映画「avec mon mari」に出演し、女優デビュー。その後、ドラマ「パーフェクトラブ!」を皮切りに、数多くのドラマ、映画に出演。2007年からは「NEWS ZERO」に出演し、2018年までの11年間、キャスターを務めた。また、映画の魅力を伝える情報番組「映画工房」ではMCとして出演するなど、マルチに活躍。2児の母であるとともに、自身が立ち上げたファッションブランド「SINME」のディレクターも務める。

津田 健次郎(つだ けんじろう)

1971年6月11日生まれ。アニメ、洋画吹替、ナレーターなどの声優業、舞台や映像の俳優業を中心に、映像監督や作品プロデュースなど幅広く活動している。主なアニメの出演は「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ」の海馬瀬人役、「呪術廻戦」の七海建人役、洋画吹替は「スター・ウォーズ」シリーズのカイロ・レン役など多数。2019年に映画初監督作「ドキュメンターテイメント AD-LIVE」が公開され、2021年にはWOWOW「アクターズ・ショート・フィルム」にて監督・脚本作「GET SET GO」を発表した。連続テレビ小説「エール」で語りを務めたほか、俳優としてドラマ「最愛」「リバーサルオーケストラ」などに出演している。

新井 友香(あらい ゆうか)

1970年1月3日生まれ。脚本家・女優・演出家・「劇団宝船」主宰。HIGHLEG JESUS解散後の04年に、自身が主宰の「劇団宝船」を旗揚げ、男女の業を描いて好評を博す。また、宝船公演がきっかけとなり、NHK のショートドラマ番組「祝女」のメイン作家として、鋭い筆致で男女の機微や妙齢女性の心のうちを絶妙なさじ加減で描く。他、「恋文日和」「イタズラなKiss2」脚本など、思春期の胸キュンドラマの瑞々しい描写にも注目が集まっている。脚本作「イタキス2」は、北米圏アジアドラマ配信会社最大手のDramaFever が主催する「第3回 DramaFever Award」で「Best Japanese Drama of The Year」を受賞。

公演情報

©︎AOI Pro./サンライズプロモーション東京

日時 2025年5月23日(金)〜25日(日)
会場 渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
Webサイト 朗読劇「したいとか、したくないとかの話じゃない」2025 – aoi-stage
公演に関するお問い合わせ サンライズプロモーション東京
TEL:0570-00-3337(平日12:00~15:00)